ターニャ・フォン・デグレチャフ「自動、手記人形……だと?」
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10:名無しNIPPER[sage saga]
2020/05/09(土) 23:50:47.86 ID:PWWmuiJvO
8時間後。

「負傷者を下がらせろ!」
「しかし少佐殿、手が足りません!」
「血を流しながら働く兵など不要だ!」

辛うじて大隊は持ち堪えている。
とはいえ、戦線自体は大きく後退した。
あの手紙が認められなければ命令違反だ。

「第一中隊が殿を務める! いけ!」

再び指揮権を掌握した第一中隊が盾となり、負傷した隊員を後退させた。
とはいえ、敵の数に対して手が足りない。

「少佐殿。参謀本部はまだ何も……?」
「必ず、動いてくれる筈だ」
「しかし、もう時間がありません!」

あと何時間。
あと何分もつか。
脳裏に過る諦めの言葉を首を振り打ち消す。

「私は約束したのだ! 必ず救えと!!」

命令ではなく、約束。
少佐はあの自動手記人形を信じていた。
軍人としてではなく、ひとりの人間として。
ヴァイオレット・エヴァーガーデンが、必ずや少佐の心を参謀本部に届けてくれると。


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