ターニャ・フォン・デグレチャフ「自動、手記人形……だと?」
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3:名無しNIPPER[sage saga]
2020/05/09(土) 23:38:31.08 ID:PWWmuiJvO
「第二〇三航空魔導大隊、大隊長のターニャ・フォン・デグレチャフ少佐である!」
「お待ちしておりました」

最大速力で後方拠点まで帰還した少佐は、目当ての天幕に入り、伝令に名乗った。
そこには戦場には場違いなほど着飾った、ひとりの少女が佇んでおり、彼女も名乗った。

「お客様がお望みならどこでも駆けつけます。自動手記人形サービス、ヴァイオレット・エヴァーガーデンです」

ヴァイオレット・エヴァーガーデン。
その美しい響きに相応しい、可憐な少女。
年の頃は、せいぜい十代半ばに見える。
何故、こんな子供が戦場に居るのか。
いや、それよりも気になる単語があった。

「自動、手記人形……だと?」
「はい。お客様のお心を汲み取り、お手紙を認めるのが自動手記人形の仕事です」

言われてみれば、たしかに人形めいている。
表情の乏しさや、静かな佇まい。無機質だ。
生気を感じさせない雰囲気が、漂っていた。

そしてもっとも興味を引くのはその両腕だ。

「それは義手か?」
「はい。ですが、任務には支障ありません」
「任務、か……失礼だが、従軍経験が?」
「はい。丁度、お客様の年齢くらいから」
「ならば結構。任に耐えうると理解した」

なんとも、ひとは見かけによらないらしい。
見た目は子供、中身は中年の少佐は自分のことは棚に上げ、可憐な伝令の認識を改めた。


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