ターニャ・フォン・デグレチャフ「自動、手記人形……だと?」
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2020/05/09(土) 23:40:53.43 ID:PWWmuiJvO
「では、早速仕事に取り掛かります」
「ああ。差出人は私で、宛先は参謀本部で頼む。ことは一刻を争うので手短に頼む」
「了解しました」

天幕に設置された椅子に少佐が腰掛けると、自動手記人形が正面に座った。
そしてテーブルに置いたタイプライターに、銀の義手の指先を添え、言葉を待つ。

「始める前に君は従軍時に士官だったか?」
「いえ。一兵卒でした」
「ならば、戦況分析は無理か」
「はい。お手数ですが、詳しいご説明を」
「わかった」

もしやと思い尋ねてみたが当てが外れて、少佐は仕方なく現在の戦況をヴァイオレットに説明してから、本題へと移った。

「というわけで、戦線は崩壊寸前だ」
「なるほど」
「そこで君には死守命令を覆せるような嘆願書を書いて貰いたい。どうだ、出来るか?」
「嘆願書の作成は業務とは異なります」
「事務的な書類で上層部を動かせるとは思えない。君の言う心のこもった手紙が必要だ」
「はい。それなら問題ありません」

ヴァイスが何故彼女を呼んだのか、その真意を察した少佐はこの自動手記人形こそが大隊を救う最後の手段であると考え、依頼した。


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