アルコ&ピース酒井「Black Savanna」
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29: ◆z.6vDABEMI[saga]
2020/05/05(火) 20:19:14.97 ID:z3oD1mZbo
という訳でことの顛末はそう言う感じだ。
後は女の子型のヤツにトドメを刺せば、こいつの仕事も終わるだろ。
キャパシティは既にオーバーしている。オレは新手のVRゲームにでも巻き込まれたのかと思いながら、眼前で起きている事件を他人事のように見ていた。
全身から力が抜ける。遂には立っていることすら出来なくなって、がくんと膝から崩れ落ちる。背後では、既に事切れたきったねぇ鼠が一匹、ただの骸になって落ちてんだろう。
ああ、もう。ほんとに、なんなんだよ。
「大丈夫だ。全て終わった。」
目の前では男がひとり、たった今華奢な体の首をごきりと折る音が鈍く響いたところだ。
ひい、怖。
それはさすがに怖ェわ。やっぱ知ってる人とおんなじ顔ってのがマイナスなのかもしんないな。見たくねーもんだって、平子さんがさあ、子供の首ごきーってやってるとこ、オレ見たくなかったよ。別人だけどね?別人だけど。
「悪く思うなよ」
そいつは、真顔で、オレに近付いてくる。おい、もう勘弁してくれよ。すっかり全ての気力を失って、立てなくなったオレはそれを見上げるしかない。下がる?後ろに?そんな元気すらもうない。
近付いてくる。さらに、接近する。
手が伸びてきて、真っ直ぐオレの目を見つめて───
「目が覚めた頃には、我々のことはきっと忘れているだろう。それでいい、それがいい。さようなら、原住民」
両手が俺の頭蓋を掴む。あったけーな、つかオレ、そっか、この人的には原住民扱いなんだ。ぼんやりそんなことを考える。
体がずっしりと重い。
太ったせいじゃないと思う。
意識が泥みてぇにどろっどろになって行って、視界が淀む。どんどん滲んでいく。黒と、白と、赤と、青と。世界がまるで一時停止したみたいに、全ての音が止む。全ての生命が静止するその瞬間。
地面が、揺れた。
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