アルコ&ピース酒井「Black Savanna」
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25: ◆z.6vDABEMI[saga]
2020/05/05(火) 20:13:50.82 ID:z3oD1mZbo
え?じゃあ……政府に隠れてた作戦が実行されて、それに気付いてんのがオレらだけってこと?
でもそれさ、だいたい、オレらだけ気付いたところでどうすりゃいいか分かんなくない?
世界は救えないよ、ラジオじゃ。
なにも出来ねえよ、オレらじゃ。
血肉を捧げるつもりは毛頭ねえけど、かと言って抗う術さえもないでしょうよ。
「足怪我してんのも、もしかしたらなんかそん時されてんのかもしれないすね」
「ああ……なんかしら?埋め込む?」
「取られる方じゃないすか、そんな一瞬なら。埋め込んだらすぐバレるっしょ」
「血とか、DNAみたいなやつを、取られて」
「んで、まあ、うん……俺に化けてると」
「なんかそんな映画あったよね?」
「あったあった。なんだっけあれ」
「ええっと、ねぇ……」
「あー……そうねぇ……」
再びの沈黙。おっさん二人の顔合わせた沈黙ってのは、案外キツイ。
そこまで思ってたこと全部喋って、怖がりながらも色々思考擦り合わせて、それからだまーって、ふたりで顔を合わせて。
……そして数秒。
「まあ、見間違いでしょ」
「だよな!」
怖くなったのか、スケールバカでけぇから考えることをしたくなくなったのか、どちらからとも言わずバカ笑いして頷いた。
虚言に付き合わされてオレまで夢見るようになっちゃ終いだ。オレだけはもうちょい、フラットなまともな感覚でいねえとなあ。
忘れよう。きっと嫌な夢か、或いは幻覚か、ストレス性のなんかに違いねぇ。
ぱんぱん、頬を叩いてから外に出るためにマスク着用。忘れ物なし、よし。
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