アルコ&ピース酒井「Black Savanna」
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14: ◆z.6vDABEMI[saga]
2020/05/05(火) 20:02:49.77 ID:z3oD1mZbo
しっかし、最近そんなやべーことばっかしだな。死にたくねえわ、そんな事件事故で。笑えねえって、そんなラストは。
芸人っつーくらいなら、最期もちゃんと笑える方がいいんだろうか、とかつい考えちまう。

「ちなみにさ、」

「ん?」

話を終わらせようとしたのに、変なところで問いかけが来た。ちょっと意外で、きょとんとしちまった。
て言うか、アンタ言われてたろ?
「脇道、サイドストーリーを広げようとすんのはアンタの悪い癖だ」って。本筋に関係ねえとこ、広げようとすんなよ。

「そん時もいた?」

「いたって、何が」

「白いガキ。お前が見たっていう」

「あー……」

回想。前もそこ引っかかってたな、そういや。これ必要な情報なん?

「いましたね。またどっか行きましたけど」

「ふーん」

……なんだ、このリアクションは。食いついた割にとっても淡白だ。
なんだよ。めんどくせ。しかもそれ言ったあとなんかしらめちゃくちゃ考えているようで、どっかよく分かんないとこ見てる。なんなんすか。

「ヤニ吸ってきますわ」

仕事前に一服行こう。そうしよう。
ん、と短く返事して見送る双眸を背に受けながら室外へと、そしてながったらしい廊下に出て、喫煙室を目指した。白煙見てりゃあなんか、このもやもやした気持ちも全部忘れっかもしれねえ。
オレの日常はそう大して何か変なことがたくさん起きるわけじゃない、その道すがらはなにも起きなかった。
いや、むしろ起きる方がおかしいんだよ。最近ちょっと麻痺してるかもしれない。
タバコの先に火を付ける。肺に入れる煙が妙に重たくて、体が重力を倍受けてるような気がした。なんか、多分考えすぎなんだろうけど。
いつだって、白い煙はなんも変わんねえ。誰にでも、オレらにも平等に、この世界でふんわり浮かんで消えていく。それを見てれば、何となく落ち着いた。愛煙家って多分みんなそうだろ。

煙と一緒に、この違和感も消えてくれたらいいのに。そんな風に、どこか考えてしまった。


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