アルコ&ピース酒井「Black Savanna」
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13: ◆z.6vDABEMI[saga]
2020/05/05(火) 20:01:29.92 ID:z3oD1mZbo
ガシャン。
なんか、音がした。
オレのすぐ隣に、何かが落ちた。遅れて全身にぞっ、と鳥肌が立ち、冷や汗がぶわっと吹き出て身体中が震え出す。ああ、なんだよ。なんだっつうんだよ。
恐る恐る視線だけを向けると、隣に割れた鉢植えの残骸と、コンクリートの上にぶちまけられた土と、花が散らばっていた。
思考が、一瞬止まる……えっ、これって、えっ?
頭上から、「ああすみません、無事ですか!」と慌てた声がする。どうやら歩道側のビルの窓から鉢植えを落としちまったみたいだ。手を滑らせたのか?
驚きすぎたせいで、ぎこちない所作で上を向いて、なんとか頑張った作り笑いで大丈夫です、と答えるのが精一杯だ。
当たってたら。
考えてしまう、つい。
もし、アレが、頭のてっぺんに当たってたら。
「……砕けてるかもなぁ」
数日後の楽屋。呑気な口振りで、なんとかその話の怖さを緩和しようと平子さんが言う。表情はそこそこ焦っている様にも見えたが、口調をなるべく軽くして、オレのこと気にかけてくれてんじゃないの?みたいな風に思った。
そっすね、と簡単に相槌打ってから、水で喉を潤した。こんなヤバげな話をどうして相方に?しなくてもいい話なのに、どうして?ま、言っちまったもんは仕方ねえかー。
しかし、当たんなくってマジよかった。ほんと、今の時期にそう言ういらんことで怪我とか笑えねえし、そう言う関係ないとこでニュースになるとか勘弁して欲しい。
……ニュースになんのはもうゴメンだ。
プラスの内容ならまだしも、オレらマイナスイメージでニュースになり放題なんで、そろそろもうそう言うとこから脱却したいけど、出来るのはもしかしたら今年じゃないかもしんないなとぼんやり思う。
「怪我なくってよかったな、ほんと」
「や、マジそれです。頭かち割られてたら終わってましたよオレ」
「突然お前だけ来ねえとかんなったら、それもう笑えねえし」
「ね、ほんと」
ふう、と息を吐いた。
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