もしもし、そこの加蓮さん。
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89:名無しNIPPER[saga]
2020/04/30(木) 20:10:35.84 ID:QqIdgo5i0

隣を譲られるまま、加蓮はベンチに腰を下ろしました。

 「めっちゃ歩いたよ」

 「広いからなぁ」

 「待ち合わせ場所に向いてなくない? ここ。寒いし」

 「ここ来てから正直向いてないと思った」

携帯電話をポケットへしまうと、彼は傍らの鞄を漁ります。
取り出した封筒の紐を丁寧に解きながら柔らかい陽光に目を細めました。

 「ただ、これは個人的な意見なんだけど」

 「うん」

 「めでたい事はさ、会議室の中より、こういう……外とか、
  お店とかで伝えた方が嬉しくないか? あと大安だし、今日」


めでたい事。


その一言に、ばっと顔を上げました。
封筒の中からはピンク色の小さな音楽プレーヤーが現れて、
それを見た瞬間、加蓮はほとんど叫び出しそうになりました。


 「おめでとう、加蓮。ソロデビューだ」



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