もしもし、そこの加蓮さん。
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83:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 21:37:22.74 ID:SPkljqcV0


 「お疲れ」

 「仕事しなくていいの?」

 「俺のとりあえずの分は終わり。何なら他の手伝いだってしたさ」


関係者席に居たのは彼だけではありませんでした。
何組かのアイドルとプロデューサー達が、
セットリストを確認したり、演出について検討を重ねたり、
ただ単純にはしゃぎ合ったりしています。

ちょうど一曲終えた所だったようで、
ステージ上のフレデリカが客席に向かってキスを飛ばしていました。
黄色い声を上げるファン達を見下ろし、
みんな自分に飛んで来たと思っちゃうんだろうなと、加蓮は何度か深く頷くのでした。

 「加蓮」

 「なに?」

 「もう、こっちが『こっち』だからな」

事も無げに呟いて、彼は加蓮を見つめました。
じっと彼を見つめ返し、またこくりと頷きます。


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