65:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 16:12:37.59 ID:SPkljqcV0
◇ ◇ ◆
愛梨のMCが一段落すると、トップバッターを務める茜を残し、
他のメンバーはステージの左右へとハケてゆきます。
お姫様のようにみんなお揃いで裾をつまむと、客席から小さく笑いが漏れました。
短い階段を降り、全員が客席から見えなくなると、みんなは手を叩き合いました。
決して大きな音が鳴らないように。
「フフン! 滑り出しはまずまず順調といったところでしょう!」
「やー、ソロ歌詞飛びそうやったわ。一言だけなのにねぇ?」
「あっはは★ 大成功だし結果オーライ、オーライっ!
あ、加蓮も初ステージおつ……加蓮?」
階段を降りてからも彼女の浮ついた足取りは止まりません。
荒い息のままとことこと歩き続けて、
いつの間にか目の前に迫っていたドアを押し開け、眩い廊下の照明に目を細め、
手元のクリップボードに何かを書き付けていたプロデューサーを確認すると、
壁に背を投げ、ずるずるとその場にへたり込みました。
307Res/234.17 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20