もしもし、そこの加蓮さん。
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66:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 16:36:21.07 ID:SPkljqcV0

 「すいません、インカム調子悪かったみたいで。
  何かありましたかね? あぁ、了解です。もう大丈夫です」

涙が涸れ、汗も退き、後は暴れる横隔膜が落ち着くのを待つだけになりました。
膝を抱え込む加蓮の横で、彼は立て掛けておいたクリップボードを再び手に取って、
やっぱり何もしませんでした。

 「加蓮」



 「……ん」

 「キライなものが多いって、前に言ってたよな」

 「ま、ね」

 「昔の自分がキライだったか?」

いざ尋ねられると、果たしてどうなんだろうか、と加蓮は考え込んでしまいます。


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