285:名無しNIPPER[saga]
2020/05/10(日) 23:17:09.80 ID:7gnP6kF90
『憧れをつかむのなら、思い切りが”らしい”でしょ?』
最初の一歩を踏み出してから、彼女の『らしさ』はだんだん薄まっていきました。
大の苦手だった運動はジョギングを日課に出来る程になり、
暇さえあれば読み耽っていた本も、近頃は表紙をめくる暇さえ無いくらいで。
モノクロームの日々を過ごしていた自分が、
しっちゃかめっちゃかに色付いていく日々を、悪くないとさえ感じるなんて。
『ひとりきりじゃない――だから、かりそめの時間でいい』
奈緒にお小言を言われて、
凛に呆れ気味に笑われて、
美嘉に気安く絡まれて、
卯月にたびたびツッコまれて、
奏に上手くからかわれて。
何者でもなかった自分、傍観者でいいと気取っていた自分が。
主人公達の眩しさに当てられて、
ヒロインどころか、主人公になりたいと願うようになるなんて。
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