もしもし、そこの加蓮さん。
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268:名無しNIPPER[saga]
2020/05/10(日) 22:24:27.41 ID:7gnP6kF90

 「本題」

 「はいはい……あんまり大丈夫じゃないんだ。
  痺れも痛みもないけど、結構ムリさせちゃってる。
  後半戦十回やったら、一回か二回は途中ですっ転んじゃうと思う」

あんなに言いたくなかった言葉が、驚くほど素直に滑り出しました。


出ていってしまった言葉の恐ろしさも、送り出した言葉の頼もしさも、
加蓮はもう知っていました。
また一つ新たな武器を手に入れて、今日これからだって彼女は戦うのです。

 「……それは、賭けだな」

 「でも私、分の悪い賭けってキライだからさ。ちょっとお願い、聞いてほしいの」

 「任せろ。得意だ」

 「魔法使いだから――でしょ? 全く、何回言うんだか」


勝手に代弁されて、勝手に呆れられて、彼はひどく嬉しそうに笑います。


 「それと……」

 「アタシ達も――でしょ? 加蓮の考える事くらい、みーんなお見通しなんだからね★」


美嘉の言葉に、奏が、卯月が、奈緒が、凛が、頷きます。
物語の主人公達は、それはそれは頼もしい笑みを浮かべてみせました。


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