116:名無しNIPPER[saga]
2020/05/01(金) 20:31:07.46 ID:TaaH9Z3P0
「……その心は?」
「表舞台に姿を現す事は少なく、
けれども、確かに……この世界に、計り知れない影響を与えています」
「文香さんらしいね」
「私には、これしかありませんから」
尚も続けようとして、文香が掛け時計を見やりました。
時計の針は二人が口火を切ってから半周も回り、
加蓮はボーカルレッスンの、文香はダンスレッスンの時刻が迫っています。
「……加蓮さんは、レッスンの後……少し、お時間はありますか?」
「え? うん、あるけど」
「でしたら……終わりましたら、
また事務所に来て頂いてもよろしいでしょうか。心当たりが、ありますので」
「おーい加蓮。送るぞー……あ、鷺沢さん、ども」
心当たりとやらについて訊ねようとすると、
ちょうどプロデューサーが談話スペースへとやって来ました。
続きが気になるのは山々ですが、後ろ髪をばっさりと断ち切って荷物を手に立ち上がります。
なにせ遅れてしまうと、天から雷が落っこちるので。
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