もしもし、そこの加蓮さん。
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105:名無しNIPPER[saga]
2020/04/30(木) 22:50:49.74 ID:QqIdgo5i0

二人が笑い合いました。
少しだけ冷めて湯気も落ち着いたカフェラテはちょうど飲み頃のようです。

 「そういえば、加蓮はどんな曲を貰ったの?」

 「アタシ? あー、んと……」

ごそごそとポシェットの中をまさぐって、
折り畳まれたホチキス留めのプリントと音楽プレーヤーを奏へと手渡します。

イヤホンを耳へ差し込み、丁寧に開いてプリントの中を検めると、
奏は軽くこめかみに指を添えながら視線を落としました。
コンタクト着用者の仕草だと、加蓮は何となく当たりをつけます。


曲を聴き終えると、奏はイヤホンを外して軽く髪を振りました。
さらさらと濡れ羽色が揺れて、それが何だか拍手みたいで、
加蓮は何となく視線を泳がせます。

 「良い歌ね」

含みも何も無い、素直な感想。
加蓮だってそう思いますし、
だからこそ、気になる箇所がやっぱり気になってしまうのです。

 「だよ、ね」


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