【オリジナル】自殺したら僕だけを誉めない有名絵師の彼氏になった件
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64: ◆wqJOdKDc/.
2020/04/25(土) 10:43:25.56 ID:U1qw9Qt5O
刹那。

「お兄ちゃんの仇ぃ、覚悟ぉっ!!」
「危ないっ!!」

出刃包丁を持って、TERIAさんの下へ突撃してきたのは……彼女と同い年の「僕」の妹だった。
後先を考える余裕はなかった。
ただ、さっとTERIAさんの前に仁王立ちしただけだった。

ざしゅっ。

「ぐはっ……」

胸の中心、恐らく心臓がある辺りに深々と出刃包丁が突き刺さった。
久しぶりだな……この痛み……。
刺された箇所からは、ぶしゃぁと鮮血が溢れ出す。

「なっ……邪魔、しないでっ!」

妹がすかさず手提げ鞄から別の包丁を取り出した。
何が何でも、兄の仇を仕留めるつもりか!

「させ、るかっ!」

佐藤家の家計は、父の年金と妹のアルバイト、そして僕のお仕事で何とかやりくりしていた。
故にメインの稼ぎ手がいなくなったことで、苦しい生活を強いられているかもしれない。
ほんと、想像力が足りていなかったよ、家族の一員としても。
であっても、妹を人殺しにはさせたくなかったし、TERIAさんを死なせたくもなかった。

「うおおっ!!」
「きゃっ!?」

ごめん、こんな屑野郎が兄貴でさ……そう思いながら、力の限り妹へタックルをかました。
背中を思いっきり壁へ打ちつけた妹は、すぐさま警備スタッフに取り押さえられた。
その様子に安堵した僕も、力を失ってその場に倒れ込んだ


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