【オリジナル】自殺したら僕だけを誉めない有名絵師の彼氏になった件
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65: ◆wqJOdKDc/.
2020/04/25(土) 10:45:20.55 ID:U1qw9Qt5O
「凛っ、凛っ!!」

TERIAさんが、僕の下へ駆け寄って膝立ちになる。
五か月前の昨年八月、「僕」こと佐藤等へしたように。

「ははっ……ごめんなさい。また……ごほっ、ごほっ……TERIAさんを悲しめることに、なって」

喀血が止まらない。
脳から血が抜けて、段々と正常な判断が出来なくなってゆく。

「『また』って……どういうこと?」

彼女が気付いてしまったのなら、もう隠す必要なんかないや。
そう思い、僕は仮面を脱ぎ捨てることにしたんだ。

「僕はね……がはっ、がふっ……凛さんじゃ、ないんだ」
「凛じゃ……ない? どういうこと?」
「僕はね、アシカ太郎……がふっ」

そう、五か月前にこのイベントホール内で自殺を図った大馬鹿野郎その人なんだ。

「まさか……いや、でも……確かに、うん」

彼女としても、やはり時々違和感を覚えてはいたらしい。

「僕は、もう……がはっ、げふっ……TERIAさんのことを、恨んでは……がふっ」
「もう……喋らないでっ……」

大粒の涙が、ぽとりぽとりと僕の頬へ零れ落ちた。
それでも僕は、彼女へ告げなくちゃならない。
それこそが、一度彼女へ「呪い」を掛けた者の償いだ。

「TERIAさんはもう、誰も除け者に……がはっ……ぼく、みたいなおもいを、だれにも……ぐはぁっ」


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