【オリジナル】自殺したら僕だけを誉めない有名絵師の彼氏になった件
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63: ◆wqJOdKDc/.
2020/04/25(土) 10:41:22.06 ID:U1qw9Qt5O


「まさか……完売するとは……」

僕の中にあるりかりほ愛を詰め込んだ個人誌三十冊は、なんと一冊残らず売れてしまった。
『完売しました。皆さん、ありがとうございます!』のツイートには、知り合いの多くから『おめでとうございます!』の心温かいリプライが送られた。
生前からの友人、誰でも合同2参加を機に知り合った方、TERIAさんのお気に入り。
立場を問わず、多くの方の応援に感謝せずには……いけない、また涙が出てきた。
ほんと、泣き虫だなぁ、僕。
もちろん僕自身も、立場を問わず知人達の愛の結晶で、鞄がホクホクなのですけどね。

時刻は午後二時五十分。オンリーイベントが終わるまであと十分。

「ふぅ〜。お疲れ様、凛」
「そっちこそ、お疲れ様」

大手の壁サークルであるTERIAさんも、無事完売したそうで。
(冊数はなんと個人誌と合同誌合わせて三百冊!! 僕の十倍ですか……)。

この後でりかりほ推しみんなで二次会があるため、迎えに来てくれたみたいだ。
もちろん、今回は誰も除け者にされていない……はずだ。
元々解釈違いにも寛容だった僕が、どうにかTERIAさんと対立気味だった方々にもコンタクトを取って、どうにか実現した親睦会。
なんとあの山本あきさんも「彼女が変わったか、この目で確かめたい」と参加を表明してくれたという嬉しいサプライズもあった。
これもまた、生前の僕がどんなに願っても叶わなかったことの一つ。
もう誰にも、僕が受けた痛みを味あわせたくない。
その想いは、今も揺らぐことはない。
だからこそ、僕はこの選択をしたのだ。

「じゃあ行こっか。みんな首を長くして待ってるし」
「だな」

使っていた長机とパイプ椅子を片付けて、重たくなった鞄を背負って。
彼女と二人、イベントホールから出た。


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