【オリジナル】自殺したら僕だけを誉めない有名絵師の彼氏になった件
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52: ◆wqJOdKDc/.
2020/04/25(土) 10:16:25.68 ID:U1qw9Qt5O
「そうだよ、アイツ自身わかってたんだよ。『一番許せないのは、あの人がいいねと思えるようなりかりほが書けない私自身なんだ』ってな。『人間扱いされなくても仕方ないんだ』って――」
「いや、人間扱いはしてましたって! でなかったらブロックしてますからっ!」
「……そこまで病んでたんですね、彼」

ちょっとちょっと……公開処刑みたいになっているんですが?
いや、まあ「人間扱いされてない」は、我ながら極端だったとは思うけど。
僕を含め、この場に居る四人全員がわかっているのだ。
悪いのは、愚かなのは他ならぬアシカ太郎なんだって。

創作活動とは、趣味とは、本来「楽しくやる」ものである。
自分が理想とする作品が生み出せず、技術面で苦悩したりはしても。ある意味それさえも「楽しみの一つ」なのが、クリエイターという生き物なのだ。
ただ僕の場合、段々と「特定個人から認められたい、誉められたい」という欲求ばかりが肥大していって、それが叶わないことで「自分が否定された」と嘆くようになって。
その特定個人が、自分以外の同業者全員を誉める様に堪えられなくなって「自分だけが除け者にされている」と被害者意識と学習性無力感で心が壊れていって。
挙げ句の果てに「復讐」のために自殺して、たくさんの人へ多大な迷惑を掛けた。
その愚行は、どう見繕っても擁護のしようがないんだ。

「一応アンタなりに、アイツのことを気に掛けてはいた。それはわかったよ」
「……わかっていただけて、良かったです」

パプリカさんもTERIAさんも、握手を求めはしなかった。


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