響「確かに気持ちは分かるのだけれど」
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2020/04/24(金) 20:24:49.30 ID:U3sL0+DQ0
と、いうのが大体ひと月前の話。
そうして貴音はらんらんと今日は発売日ですよ!と妙な顔文字と共に連絡が来て、そういえばそんなのあったなと思いつつ事務所に来てみれば、まだ来てない様子なので、先にのんびりしていた春香と律子を捕まえて大した話をするわけでもなくのほほんと過ごしていた。
そのうちに、他何人も事務所にやって来て、その面々に続くようにしてにんまりとした顔をしながら、本屋のロゴが入った紙包みを両手に貴音がやって来るのであった。

「本当だ。この上なくご機嫌だね」

仕事のスケジュールも特にないのにやってくる貴音の目的はたったの今まで二人やその他の面子に共有していたので、というよりこのひと月は貴音のその成り上がり感というか、やっぱりどこまでも浮かれタマネギだった訳なので、皆が皆その顔を見て納得するばかりなのである。

ごきげんようとばかりに会釈を振り撒いたその後、流れるようにしゃなりと自分達のいるソファーへと座り、わざとらしくその紙包みを机に置いた癖に今日は行楽日和云々だのと話を逸らすので、それってもしかして、とちゃんと訊いてあげるところが自分の完璧たる所以というか。

内心待ってましたとばかりな癖に、はて?とかなんとか言いつつ開けて取り出したるは紛れもなくその類いの雑誌で、聞けば実はまだ貴音も中身を見ていないとのことであった。因みに表紙は全然関係無いグラビアアイドルで、ぱっと見特に貴音がどうこうの記載は無かった。

「そんな事もあります、表紙は流石に時期尚早かと」

何が、かと、なのかは分かんないけどもそこら辺あっさりと引き下がるのは意外だななんて思いつつ、貴音はぺらりぺらりとそれを捲っては記事を探してを繰り返すのだけれど、一向に貴音特集的な記事は見付からず、巻末のよく分からないダイエットグッズの広告ページに差し掛かったところで夢中に探す貴音を他所に、自分達は顔を見合わせた。


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