156: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2021/12/15(水) 23:22:27.05 ID:ECNFnKQ+0
男「ああ」
父『記憶同期でわかっていると思いますが、記憶同期の実施は88888回の中で何度も行っていました』
男「はい、そうみたいですね」
157: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2021/12/15(水) 23:23:45.18 ID:ECNFnKQ+0
父『髪留めです』
男「髪留め?」
父『あの娘は以前も申し上げた通り、我々が作成した"素体"です。
158: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 23:24:21.90 ID:ECNFnKQ+0
男「なんでそんなことが?」
父『予想するに、あなたの身体では耐えられない情報量が脳内に巡る際、どうしても処理しきれなかったっことが原因で失敗していました。
しかし、我々の星に由来する素材で生成された髪留めを持っていたことによってあなたの身体だけでなく、その処理に干渉を与えたのだと考えられます』
159: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 23:25:11.65 ID:ECNFnKQ+0
父『初めてあなたを連れてきた時点で、彼女の行動は全て我々の意に反することでした。
我々は行動方針を命令することはできます。ただ、これは絶対的な行動を約束しません。
最終的には彼女の判断で動くのですが……まさかまさかです』
160: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2021/12/15(水) 23:25:40.41 ID:ECNFnKQ+0
男「なるほど」
父『ただ、あの髪留めがあなたを助けられるほどの品物だったかどうかは定かではありません』
男「?」
161: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 23:26:28.20 ID:ECNFnKQ+0
父『なんだか不思議な感覚ですね』
男「何がです?」
父『あなたとこんなお話をするようになったことがです』
162: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 23:27:18.31 ID:ECNFnKQ+0
父『まあ、また』
男「はい」
父『彼女の近況を教えていただくために、定期的に連絡致します』
163: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 23:28:33.89 ID:ECNFnKQ+0
男「……人間っぽいこと言いますね」
父『娘をよろしく頼みますね』
男「は、はい……」
164: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 23:29:21.88 ID:ECNFnKQ+0
女「……」
彼女がこちらをジッと見つめていた。
「落ち着く」という俺の胸元、超至近距離で。
165: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 23:29:57.63 ID:ECNFnKQ+0
あの日から一ヶ月以上が経った。
どうやら、今日という日は世界が再作成(リセット)を繰り返していた時には迎えることができなかった日のようだった。
男「お前は何度も繰り返してたんだな」
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