129: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 22:40:14.05 ID:ECNFnKQ+0
そこはなんとなく理解できる。
おそらく、今回を除く88887回分の記憶を俺に入れるってことになるわけで。
1回目であろう記憶をさっき入れられただけでも眩暈、頭痛は相当なものだった。
130: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 22:42:15.16 ID:ECNFnKQ+0
男「わかった、じゃあ少しずつ俺の何万回分の記憶を入れてくれ。流石に一気は無理だ」
父「あなたがここに来た日、つまり今日の日付変更時に世界は再作成(リセット)されてしまいます」
男「? そうなのか」
131: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 22:44:12.90 ID:ECNFnKQ+0
父「パターンは二つ」
男「……」
父「記憶の同期が完了し、再作成(リセット)されない。
132: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 22:45:20.92 ID:ECNFnKQ+0
男「つっても俺は、また何も知らないまま、88889回目に行くんだろ」
父「そうですね」
88888回目の今の俺を犠牲にして。
133: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2021/12/15(水) 22:45:51.61 ID:ECNFnKQ+0
男「もう一つ聞いていいか?」
父「はい」
男「再作成(リセット)を抜け出した後、あんた達はどうする?」
134: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 22:46:53.73 ID:ECNFnKQ+0
男「……成功したら、二つ、約束して欲しい」
父「はい」
男「一つは、あいつのことを"素体"と二度と呼ぶな。
135: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga !蒼_res]
2021/12/15(水) 22:48:24.61 ID:ECNFnKQ+0
彼は非常に勇ましく果断だ。
数万ケースに及ぶ再作成(リセット)を行っても、必ずここに辿り着く。
これはありえないことだ。
136: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga !蒼_res]
2021/12/15(水) 22:49:23.90 ID:ECNFnKQ+0
彼は88888回の中で、何度も記憶の同期に挑戦している。
しかし、成功したことはない。全て、失敗している。
この地球に生きる「人間」という生き物は、残酷なほど脆い。
137: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 22:49:54.52 ID:ECNFnKQ+0
父「準備はよろしいでしょうか?」
無骨な硬い椅子に腰掛けている俺に、確認の声を掛ける。
男「……ああ」
138: ◆qhZgDsXIyvBi[sage saga]
2021/12/15(水) 22:52:06.86 ID:ECNFnKQ+0
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