晴海シンジュ「四月馬鹿には笑いたい」【ナナシス】
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4: ◆HQmKQahCZs[sage]
2020/04/01(水) 11:06:11.45 ID:rGjnhKth0
エイプリルフールか。

皆が笑顔で嘘をつく日。

そんなことができればちょっとは可愛げがでるのだろうか。

私は仕入れを終え、店の冷蔵庫の影で一人佇んでいた。

シンジュ「カジカのシュークリームを全部食べてしまったからお詫びにしめ鯖ケーキを作っておいたぞ。………なんて我ながら面白くない冗談だ」

相手を幸せにする嘘。

自分を幸せにする嘘すらつけない私になにが言えるというのだろう。

我儘をいつの間にか押し殺してきた私に。

今まで押し殺してきた我儘の死骸を心の中で埋めて、大人になったような気がした。

サワラ「あっ、シィちゃんみ〜つけた。どうしたのこんなところで」

シンジュ「サワラねぇ」

ガシッ

誰かが私の足を引っ張っている。

サワラ「ん? なにかな?」

地面の底へ引きずりこもうと。

シンジュ「私は」

泣き声。泣き声が聞こえた気がした。

シンジュ「嘘つきの姉に死んでほしいと思ってるんだ」

………え?


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