46:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 17:04:12.40 ID:O0jAO63X0
――芙美台山、最深部
エミリー「……」
桃子「まさか本当にここまでやってくるとはな。褒めてやらねばならんのう」
エミリー「約束通り育吾郎さまは返していただきますよ。そしてあなたの首は私がもらい受けます。お覚悟を」
桃子「フン。貴様にも見えるじゃろう。儂の玉座に並べられた骸の数々。皆儂が喰らってきた麓の村の小童の成れの果てじゃ」
桃子「同時に、あの何の取り柄もないつまらん村に幾多の恵みがもたらされた証でもある」
エミリー「何を言いますか。あなたがそれだけ多くの人を殺めてきた証の間違いでしょう」
桃子「何度も言わせるな。あんな村、儂がおらねばとっくの昔に滅んでおったのだ」
エミリー「そうでしょうか。育吾郎さまがおられさえすれば、美里恩村があなたの呪縛に囚われる時代は終わることでしょう」
桃子「信じておるのか?」
エミリー「ええ。私は信じています。育吾郎さまは将来立派な武人へと成長され、必ずや美里恩村をあなたの手に頼らない素晴らしい村へと発展させることでしょう」
桃子「くだらん。こやつがそんな偉人になるとなぜ言い切れる? 儂を倒せば恵みは奪われ、あの村は滅びる。貴様は村の者どもに災いをもたらそうとしているのだぞ?」
桃子「儂と貴様、あの村にとって害獣なのは果たしてどちらじゃろうのう?」
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