20:名無しNIPPER[saga]
2020/03/29(日) 16:48:12.04 ID:O0jAO63X0
育「……そっか。ひなた殿から鬼の話を聞いたんだね」
エミリー「はい。とても恐ろしく、理不尽なことだと感じました。それにひなたさんは、お兄さんを……」
育「そうだね。10年前、ひなた殿の兄上は鬼に喰われて亡くなられた。拙者はまだ生まれていなかったけど、そのときの出来事はひなた殿や村の長老たちから聞いているよ」
エミリー「前回鬼が来た年から今年で10年……ということは、また今年鬼がやってくるということでしょうか」
育「そうだね。無論拙者は鬼を迎え撃つつもりでいるけど……事はそう簡単な話ではないんだよね」
育「村の経済は鬼が与えてくれる赤い水によってどうにか成り立っている。なぜならその水を使った染め物しか名物がないから――その話も聞いたんだよね」
エミリー「はい……」
育「でも拙者は、この村の名物がそれしかないなんて思わない。エミリー殿、ちょっと拙者に着いてきてくれないか。見せたいものがあるんだ」
エミリー「? なんでしょう――」
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