ターニャ・フォン・デグレチャフ「私は副官の無防備さを甘くみていたらしい」
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9:名無しNIPPER[sage saga]
2020/03/26(木) 22:43:44.37 ID:rJNbqli6O
「あの、少佐殿。ひとつだけよろしいですか」
「なんだ、グランツ。言ってみろ」
「実は昨夜、我々はヴァイス大尉と一緒に酒を飲んでいまして。その際、大尉はかなり泥酔していました。記憶の混濁はそれが原因かと」

なるほどと、デグレチャフ少佐は得心がいく。
ヴァイス大尉は酒好きであり、悪酔いしがち。
泥酔した際に犯行に及び、記憶を失ったのだ。
ノイマンとケーニッヒもそれぞれ頷き合って。

「そう言えば昨夜は酷い酔いっぷりだったな」
「泥酔した挙句、隊舎のベランダに干してあった白い布切れを見つけて、白旗だ! けしからん! とか言ってよじ登って回収してたっけ」
「なんだと?」

気になる単語があり、少佐は追求した。

「白い布切れと、そう言ったか?」
「ええ、かなり目立ってましたよ」
「確かにありゃ白旗に見えました」

白い布切れを白旗と誤認した。それはつまり。

「少尉。まさかとは思うが、貴官は下着を外に干していたのではあるまいな?」
「はい、お外に干してました! 帝国軍人たるもの常在戦場の精神に則り、常日頃から速乾を心がけてお洗濯をすることにしております故!」

元気な返事に頭痛を堪えながら副長に告げる。

「ヴァイス中尉、釈放だ」
「は?」
「私は副官の無防備さを甘くみていたらしい」
「小官には、何が何だか……」
「今後、酒の飲み過ぎは控えるように」

副官のあまりの無頓着さに呆れた少佐は、何が何だかわからない様子のヴァイスを釈放した。


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