ターニャ・フォン・デグレチャフ「私は副官の無防備さを甘くみていたらしい」
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10:名無しNIPPER[sage saga]
2020/03/26(木) 22:46:58.05 ID:rJNbqli6O
「まったく! ひと騒がせな!」
「あぅ……も、申し訳ありません」

ヴァイスたちを帰し、白パンツを白旗と間違われて回収された副官を少佐は厳しく叱責した。

「貴官も乙女ならば相応の振る舞いをしろ!」
「ひゃあっ!? ご、ごめんなさぁい!?」

こっぴどく叱られて泣きじゃくる副官を見ていると、なんだかあのライン戦線での地獄のような日々がまるで昨日のことのように思えて。

「ふっ……あの地獄のような日々を思い出すな」
「ふぇっ? 少佐殿……?」
「漏らして泣いていた頃が今となっては懐かしい。あの頃と比べれば幾分かマシと言えよう」

そんなちょっと良い話で説教を締め括ろうとした少佐の親心になど、少尉はまるで気づかず。

「あの……実は、誠に申し上げ難いのですが」
「なんだ、言ってみろ」
「少佐殿のお説教が思いの外長く、しかもあまりに苛烈を極めた為、小官は情けないことにお小水を漏らしてしまいました! ごめんなさい!」

なるほど、よく見れば、水溜りが生じている。

「フハッ!」
「しょ、少佐殿、どうかご容赦ください!!」
「フハハハハハハハハハハハハハッ!!!!」

何を馬鹿なことを。容赦などするものか。
戦とは衝撃力であるとルーデルドルフ少将閣下が仰っていた通り、圧倒的な哄笑によって戦場を制圧することこそが、帝国軍人としての誉高き務めであり、そこに一切の躊躇いがあってはならない。

「フハハハハハハハハハハハハハッ!!!!」

たとえ万雷の拍手と共に尊厳を失うことになろうとも、愉悦と喝采を躊躇うなかれ。
母なる祖国に幸あれ! ライヒに黄金の時代を!


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