9: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2020/03/12(木) 01:18:17.51 ID:CrbqfshB0
女盗賊「そこで、あんたお得意の論法よ。ウチらが勝手に寝床を拝借しただけ。この子は何も知らなかった…な?」
男「………分かった」
女盗賊「決まり」
女盗賊「そういうわけで、一晩だけ借りてくよ。そん代わしお代は弾むからさ。こんくらいでどう?」ジャラ
町娘「いえ…お金は要りません」
女盗賊「えー?いくらウチでもサービスに対する正当な対価くらい払うのに」
町娘「お金ではなく」ジッ
男「…?」
町娘「あなた方が追われることになった原因が知りたいのです」
女盗賊「…だからそれは──」
町娘「それを知るまで、私ここを動きません」
男「………」
町娘「……」
女盗賊「……いいかい、お嬢さん」ズイッ
女盗賊「ウチらは鬼ごっこをしてるわけじゃないんだ。下手を打てば命を落とす…そういう状況に身を置いてる。あまり深入りするとあんたも同じ目に遭う」
女盗賊「それとも何かい?赤の他人のために命を賭す覚悟があると?」
町娘「あります」
女盗賊「…!」
町娘「……」
女盗賊(……驚いた。この子、震えてすらいない)
女盗賊(それどころか…)
男「もういいだろう。床を借りる。行くぞ、女盗賊」ガタッ
女盗賊「…あぁ、分かった」
町娘「………」グッ...
女盗賊「教えてやろうじゃん」ニシッ
町娘「え…!」
男「は…?おいふざけてる暇は」
女盗賊「まぁまぁ落ち着き?」
女盗賊「冷静に考えてみなよ。事情を知る知らない以前に、こうしてウチらを匿った時点でこの子はアウトだ」
女盗賊「巻き込みたくなかったんなら、さっきの路地で見て見ぬ振りをするべきだったんだろうさ」
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