23: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2020/03/13(金) 22:54:00.72 ID:/wFM0jg50
ーーー路地ーーー
女盗賊「──新大陸かぁ。現実味が全くないね」テクテク
男「誰だってそうだろう。俺も生まれてこの方初めて聞く話だ」テクテク
女盗賊「でも未開の地への冒険譚て言えば、ちょっとわくわくしてこない?」
男「能天気な奴め」
女盗賊「にしても、あんなひよっ子が弟子入りしてるとは思わなかったわ」
男「真っ直ぐな男だったな」
女盗賊「…愚直な程にね。やめときゃいいのに、こんな稼業」
女盗賊「先輩への態度は改めさせる必要があるみたいだけど!」
女盗賊「…で?あんたも人のこと言ってる場合じゃないよ?あと一週間、またあの宿で世話になるんだから、今のうちに町娘ちゃんへの言い訳考えておくんだね」
男「……老師殿の所に置いてもらえればな……」
女盗賊「駄目よ。あんたも気付いてたでしょ?爺のあの雰囲気。ここに泊めさせはせんぞ…ってな。昔からそう、肝心な所は甘えさせてくれない」
男「あの老師殿は一体何者なんだ?」
女盗賊「あん?何度も言ってるでしょうに。しがない盗人よ」
男「………」
女盗賊「…なに?」
男(…あの者、飄々としていたが…只者ではない)
男「昔から盗賊として活動してきたと?」
女盗賊「そう聞いてるけど……まさか前は凄腕傭兵だったとか!?」
男「いや、俺の知る限りでは無い。あの空気、一度顔を合わせれば忘れないだろうな」
女盗賊「えー……今じゃただのセクハラじじいのくせに………!?」
女盗賊「」タタタッ
男「どうした?」
女盗賊「……やられた。これ」
ポスター『この者、国を脅かす大罪人なり。見つけ次第知らせ求む。(男と女盗賊の顔写真)』
男「…今更驚くことでもない」
女盗賊「奴らいよいよなりふり構わなくなってきたね」
女盗賊「でもこの執念は異常だよ、気持ち悪いくらい…」
女盗賊「こうなったらもう人目のある道は使えないか。残るは…」
男「人の居ない区画…ここからなら」
男「廃虚郡か」
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