9: ◆z.6vDABEMI[saga]
2020/03/09(月) 23:42:09.51 ID:6vHR34Kro
だから、今のままを望むのだって、別におかしくはねえだろう。井の中の蛙大海を知らず、空を見るばかりじゃきっと肩も凝る。俺らが居られる場所を守るのだって、正答のひとつでいい。
今までが間違いだらけだったとしても、その間違いで生まれたものもたくさん合ったはずだから。今そこにあるものが間違いだなんて言いたくないから。
俺達、どうあってもまっすぐには生きられないみたいで、どうしても王道にはなれなくて、上手く売れられなくって。
だったら、無理する必要なんて、ないんっすよね。
「よくねえよ」
それでも。
「……ん、」
それでも胸を突いたのは。
それでも奥から込み上げたのは。
「よくねえよ!」
渾身の雄叫びだ。
「……うん」
「ダメだよ。そんなん良くねえ。お前じゃダメだ」
夢を歌うことすら忘れていたけれど、今、伝えたい。
届くかどうかなんてどうでもよかった。俺が、今言いたいだけだ。言わなきゃ後悔する気がして、だからその口を開いて。
「俺は平子さんとテッペン獲んだよ!」
「……うん」
「お前知らねえだろうけどなァ!俺らのコンビ名ってお互いの苗字から取ってっからな!」
「……」
「何があっても心中するくらいにゃ覚悟して来てんだよ!一番おもしれぇこと出来る人だって思ってっから……」
「……」
「……俺はこの人と、一緒に行くんだよ。」
ああ、そうだ。
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