4: ◆z.6vDABEMI[saga]
2020/03/09(月) 23:36:00.79 ID:6vHR34Kro
始まりは、米。
俺もよく分かんねえけど、平子さんちで車の周りに米が撒いてあったらしい。犯人不明、原因不明、奇妙で不明で不安になる事件だ。
その数日後には、車に駄菓子。さらに別な現場でも駄菓子が車に置かれてた。
犯人は現行犯逮捕、自称「平子さんちの黄色い車」。
……信用してないかって言われると、まあ、うん。信用は出来ないが、こんな手の込んだ嘘を付くような人じゃねえから、信じる他ないんだよなって頷く。
第一、メリットないし。いや、虚言癖が疑われてる人ではあるけれども、それを俺にまでやる必要はねえじゃん?
「また寝ないでくださいよ?」
笑いながら、余裕で語ったはずのセリフは届かなくって。
振り返った瞬間に再びぐらついた巨体に思わずたじろいでしまう。あー、またこれ受け止めなきゃダメなヤツすか?えー、もうやだ。散々やったし。そもそも男同士でそんなんやりたかねえんすけど。可愛い女の子ならまあ百歩譲って、いや、このシチュエーションなら女でもゴメンだ。
「……」
「……へ?」
倒れなかった。
「あれ?」
「はい?」
「ところで……君は誰やったっけ?」
「……」
「ああ、酒井くんや!」
「はあああああああああ!!!!????」
怒号、喧喧囂囂。
そいつは再び「黄色い車」を自称した。しかも今度は誰の車か思い出せない、だなんて嘯きながら俺を見てニヤニヤする。うっわうるっせぇ気持ち悪ィなんなんだよお前。
まさかまさかの物語、だけれどきっと幕を下ろさなきゃなんねえ物語だ。
幕を下ろしたら、それでどうなる。俺達はどうなっちまう?それで何が変わる?
俺らに何が起こってんの?
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