3: ◆z.6vDABEMI[saga]
2020/03/09(月) 23:34:48.66 ID:6vHR34Kro
ていうか。なんだよ、車って。
意味わかんねえし。
嘘にしてもレベルが低い、演技にしては寒すぎる、俺を騙すにしたってそんなのでどうしようってんだ。
「つうかそもそも誰だよ!誰の車だよオメー名前くらい分かんだろうがよぉ!」
「しらーん」
「ああああああ!!」
思いがけず頭を掻きむしる。なんつう顔してんだくっそムカつく。あーもー一発殴らせてくださいよ平子さん。
しかしんなこと言える訳がなく。つーか仕事ギリギリなんだから!
そもそもなんだこの口調、めちゃくちゃムカつく。悪い冗談でしょ?ああそうだ、きっと昨日強い酒でもやったんだ。戻ってこれてねえだけなんだ。多分そうだ、そうなんだ!
そんな風に思っていると突然その声がぷつん、電源の切れたラジオみたいに無音になった。ごつん。
「は?」
持ち上がっていた頭がこてんと崩れる。首の根元からもげたんじゃねえか、と言うような角度で頭が垂れる。そのまま額がテーブルにヒットして、
「っつぅ!?」
顔を上げた時には、見たことある顔があった。
「戻った」
「は?」
驚きの俺、目の前の渋い顔。その理由は平子さんは知らないから、まあそれはそれでいいかなって思ったりないことも無い。話せない秘密を抱えたら、言いたいことって無くなるもんなんだな。
それにしても、不機嫌な声色さえも不思議に嬉しい。良かった!いや、待てよ、ふと視線を戻して。
良くねえ。
良くねえわ。解決はしてない。ひとつもだ。
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