5: ◆z.6vDABEMI[saga]
2020/03/09(月) 23:37:22.38 ID:6vHR34Kro
「なんで、そっちばっかこんなことになるんすかね!!」
恨みの視線はそれから数時間後。なんの混乱もなく仕事を終えて、俺らは帰り支度をしている。
ふう、と息を着いて。
「解決したんだろ?じゃ終わりでしょこの話」
「解決してねえんすよね……」
頭が痛くなってきた。ああ、なんなの。これ困ってんの俺だけなの?
「は?いや、だって駄菓子ストーカーつかまえたじゃん」
「……ああ、」
そうだ。言われて思い出した。自称「黄色い車」には、一応大義名分があったじゃあないか。自分を大切にしてくれたオーナーへのお礼!
あれ?だが先程の新しい車の方についてはなにも言っていなかった。と言うか俺とふつーに会話してましたよね?え、なに、誰かと話したかったとか?まじで?こっわ。
顔面蒼白で向き合う。さすがに変だな、と気がついたらしい。
「何、またなんか出た?」
「……信じらんないと思いますけど、出ました」
「ん?それは何が出たの?」
「車です」
「……へー?」
リアクションが薄い。
そら二回目だからな!
信じられないことは、一旦信じちまえばもう真実だけでしかなくって、それは夢でも幻でもない、誰も知らない貴方だ。
だけどそれに付き合わされてる俺、辛いんすよ?二回目よ二回目?続編ったらよっぽどのインパクトがないとやってらんねえのに、さあ。
分かるでしょ平子さん、あんた最近映画出たんだから。続編って相当インパクトないと引きがないっての、分かるでしょっておい!!なんだよあの役くっそ死ぬほどいい役じゃねえか羨ましいなあくそ!!!!!
「なんつーかめちゃくちゃ気持ち悪い感じになってました」
「おお……お前、現状報告でナチュラルにdisりかましてくるのな」
「マジっすもん。」
「どんなやつよ」
はあ、とため息が聞こえた。まあ、そうっすよね。
「訛ってました」
「いつもの俺じゃん」
あ。真顔。
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