11:名無しNIPPER[saga]
2020/02/09(日) 02:26:18.13 ID:QhrXPTvL0
自動販売機を通り過ぎ、階段をスルーして、渡り廊下に差し掛かったところで彼女がこちらを振り向く。
今度はじとっとした目だ。こういう目は何度も見たことがあって、また勝手に口の端が緩む。
彼女はわたしの頭からつま先までをつーっと見渡して、ため息をこぼした。
そして、わたしから目を外して、すたすたと歩いてきて、通り過ぎていった。
向こうが振り向いてる気はしなくて、わたしは振り向かなかった。
ふらふらとよろめきそうになりつつも、二本の足でしっかり立ち続ける。
彼女はわたしに言うことがないし、わたしも彼女に言うことはない。
前から何も変わってないし、これからもきっと変わらないことなのだ。
そう思っても、なぜか、わたしはどうしようもない熱に浮かされている。
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