48:伊丹 [sage]
2020/02/08(土) 21:21:07.33 ID:2EYiqEug0
「それでな。紗代子にはコレを持ってきたんだ」
彼が手提げ袋から箱のようなものを取り出し、パカッと開ける。
箱の中には、ピカピカの時計がキラリと輝く。
「これを、紗代子にプレゼントしたくて」
「これを……わたしに?」
つけてみてくれ、と箱を差し出す彼。
シルバーのケースに、紺色の文字盤。
バンドは紺と白のストライプ柄のナイロン製のものになっている。
言われるがまま、恐る恐る時計を持ち上げて、
左腕に巻いてみると、ズシリとした確かな重さを感じる。
あ、重い…
と声が出てしまう。
「…はは、やっぱり紗代子にはちょっと大きいかな。
軽くなるようにナイロンのバンドに変えたんだけどなぁ」
と彼は苦笑いをする。
私は、時計をまじまじとみつめる。
彼と色違いの……おそろいの、腕時計。
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