22:伊丹 [sage]
2020/02/08(土) 20:30:00.22 ID:2EYiqEug0
カフェを出た私達は、電車に乗って劇場へ帰る。
電車は座席が埋まっているくらいで、私と彼は扉側を背に立って彼と世間話をする。
私の持っている紙袋には、熱々できたてのたい焼きがたくさん入っている。
はやく、皆の美味しそうな顔をみたいな♪
そうこうしているうちに、停車駅で人が乗り込み、
その次の駅でまた人が乗り込み、あっという間に話もできないくらいの満員電車が出来上がってしまった。
「はは……この時間なら、混まないと、思ったんだけどな…!」
四方からの人に揉まれながら小声で私に話す彼。
彼は人混みから私を守るように、私の背の窓に手をついて人混みの荒波を一身に受けてくれている。
「プ、P……!悪いです!私はいいから、手を離してください…」
「まぁ、あとふた駅だから。このままでいこう」
彼の体の中に、すっぽりと覆われている自分。
こ、これ…百合子が前雑学クイズの勉強で言ってた。
壁ドン…とかいうの?
後ろから見られたら、抱きしめられてるように…カップルみたいに、見られてるのかな。
たい焼きの入った袋を持つ手が汗ばんでくるのがわかる。
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