11:名無しNIPPER[saga]
2020/02/06(木) 18:20:17.43 ID:lh55PHNT0
まつり「さすが富里子ちゃん、お忙しい様子なのです」
P「ええ。けれど……落とした書類は仕事に関係したものではなかったみたいね」
まつり「資格試験の通信講座のテキスト類……だったのです」
P「そういえば……須五井プロには最近正所属に昇格した10代の不思議ちゃんアイドルがいたね」
まつり「まさか富里子ちゃん、アイドルを辞めるつもりなのです?」
P「それはわからないけど、そんな感じのことを書き立てるゴシップ記事なら読んだことはあるよ」
彼女は、やはり私の顔なんて覚えていなかった。当然だ。彼女が戦うフィールドは私が足を踏み入れることのできた範囲の遙か向こう側なんだ。
そこに上れずに散っていった数知れない者の顔なんて、覚えていてもきりがない。
どうあれ彼女は本来追っていた理想の自分よりも、手持ちのカードを活かせる分野に進むことを選んだ。自分自身の行く末に対し冷徹になれる人なんだ。
だからこそあれだけのスターダムにのし上がりながらも、己の限界に自覚的なのかもしれない。
大人気アイドル伏木富里子の期限は迫っている。同じような技量を持つより若い人材も、須五井の練習生ならごまんといるのだろう。
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