6: ◆x8ozAX/AOWSO[saga]
2020/02/05(水) 17:21:54.19 ID:zm72+V2G0
しばらくの沈黙。
落ち着いて大きな深呼吸。
それから暫くして、響子は口を噤んだまま顔を真っ赤にした。
P「……響子?」
響子「……あ、あれっ……もしかして、私の勘違い……?」
P「勘違いって……どうかしたのか?」
響子「……私、プロデューサーと一緒に妹役の練習をすると思ってたんです」
P「俺もだぞ」
響子「……プロデューサーのおうちで……」
P「…………」
響子「…………」
P「…………えぇ……」
響子「…………うぅ……恥ずかしいぃ……」
そのまま、両手で顔を覆ってしゃがみ込んでしまった。
前髪と指の隙間から見える響子の表情は、見たこともない程真っ赤になっていた。
それから落ち着いたのか、すっと立ち上がって回れ右をした。
響子「……探さないで下さい……」
P「待て待て待て待て!」
響子「もうやだぁ……こんな恥ずかしい勘違いしちゃってたなんて! 私もうプロデューサーの顔見れないじゃないですかぁっ!」
ああ成る程。
響子は俺の家で暮らすものだと思っていたのか。
確かにそうだな、主役の男性と妹の二人暮らしという役なのだから。
俺が協力すると言ったから、そう勘違いしてしまったのか。
P「…………えぇ……」
響子「もう何も言わないでぇ……良いもん……私もうおうち帰るもん……」
P「いやいやいやいや大丈夫大丈夫! お、俺もそのつもりで言ってたから!」
響子「…………ほんとですか……?」
P「あぁ! 今日から響子と二人暮らしか楽しみだなぁって思ってたから!」
響子「…………」
P「響子が妹か、幸せだなぁって思いながら午後の業務を乗り越えてたから!」
響子「た、楽しみ……幸せ……もー、プロデューサー? これは演技の練習なんですから、遊びとは違うんですよっ?」
今にもスキップしそうな表情で、響子は振り返ってくれた。
背中のはたきの主張が非常に強い。
響子「それじゃプロデューサー、行きましょうっ!」
P「……おう」
まじか。
勢いで事が進んでしまったが、まじか。
響子、本当に俺の部屋で暮らすつもりなのか。
からかわれているのかと思ったが、どうやら本気な様子だ。
……まじかぁ……
そんな訳で、冒頭のシーンに至った。
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