53: ◆x8ozAX/AOWSO[saga]
2020/02/05(水) 17:56:48.12 ID:zm72+V2G0
P「改めて、ドラマ凄く良かったぞ。一緒に練習した甲斐があった」
響子「はい、プロデューサーのおかげで満足いく演技が出来る様になりました」
P「あぁ、完璧だった」
だから、必要無いのだ。
これ以上俺と響子が兄妹という関係で同棲を続ける必要は、何処にも無い。
響子「……少しだけ、もう一度だけ。甘えた事を言って良いですか?」
P「……ダメだ」
響子「いやです……私、すっごく幸せだったんです」
P「聞いて」
響子「お兄ちゃんとしてプロデューサーと暮らしていた時間、すっごく幸せだったんです」
P「あの」
響子「これからもずっとこんな風に過ごせたらきっともっと幸せなのに、なんて。そんな事を考えながら暮らして……」
P「ねぇ」
響子「……だからこそ、寂しかったんです。いつか終わりが来る事が分かってましたから。こうして二人きりで甘えられる関係も、撮影が始まれば終わっちゃうって」
P「……まぁ、うん。俺もだよ」
響子もきっと、俺と同じ事を思ってくれていた。
こんな時間が、もっとずっと、続けば良いのに、と。
だから今こうして、あの日の続きを続けている。
響子「……でも、それ以上に……私は結局妹なんだなって思ったら……」
すっごく、苦しくて。
悔しくて、ずっと後悔してました。
そう、響子は呟いた。
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