39: ◆x8ozAX/AOWSO[saga]
2020/02/05(水) 17:49:14.43 ID:zm72+V2G0
P「…………はぁ」
駅前で一人、ため息を吐く。
響子と二人で暮らし始めてから、一人で過ごす時間が格段と減ったからだろうか。
一人きりの時間と言うのは、思いの外つまらないものだった。
退屈する。
やる事がない。
話し相手がいない。
気が付けば、俺にとっての日常の中で響子はかなりのウエイトを占めていた様だ。
……早く、来てくれないかな。
そんな、まるでデートの待ち合わせをするかの様な。
恋人との約束を待ち遠しく思う様な。
なんとなく、そんな気分になった。
俺がそんな気分になるのと、それはほぼ同時の事だった。
響子「あっ、お待たせしましたっ!」
遠くから、手を振っている女の子がいた。
それは明らかに俺へと向けられており。
そんな、まるでデートの待ち合わせ場所に向かうかの様に楽しそうで、お洒落した女の子が響子だと気付いた時。
P「……おう、響子。随分とかかったな」
なんとなく照れ臭くなって、俺は目を逸らした。
響子「女の子は準備に時間が掛かるんです。あ、でも待たせちゃってごめんなさい」
P「良いって別に、俺こそ準備が早くて悪かったな」
響子「……むー……」
P「あぁすまん、嫌味とかそういうのじゃないんだ。気にしなくて良いって言いたかっただけで……」
響子「知ってますよーだ、お兄ちゃんが言葉足らずでデリカシーが無くて朴念仁な事くらい」
P「畳み掛けてくるな……」
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