26: ◆x8ozAX/AOWSO[saga]
2020/02/05(水) 17:42:00.23 ID:zm72+V2G0
玄関の前で大きく息を吸う。
吐く。
吸う。
吐く。
吸う。
吸う。
吸う。
咽せた。
P「……………………」
……もう一度深呼吸をしよう。
ガチャ
覚悟が決まるよりも先にドアの鍵が開かれた。
開けてくれた響子は、仏頂面で顔を背けている。
響子「……玄関先で何してるんですかお兄ちゃん」
P「深呼吸の練習を……」
響子「ご近所さんに怪しまれますから、早く入って下さい」
P「はい」
部屋に入る。
キッチンからは、良い香りがした。
喧嘩(と言っても一方的なものだが)しているにも関わらず、夕飯を用意してくれたらしい。
P「……ただいま、響子」
響子「……おかえり、お兄ちゃん……」
……沈黙が痛い。
いっそのこと1発叩いてはいお終い、となってくれた方が気が楽なのだが。
P「……ゼリー、買ってきたから。俺が昨晩食べちゃったやつ」
響子「……怒ってないって言ってるのに」
P「とは言え勝手に食べちゃったのは事実だからな。2つあったから1つは俺の分だと思っちゃったんだ。悪かった」
響子「……別に、そんな事で怒ってるんじゃないもん……」
つーん、と顔を背ける。
……これは、どちらかと言えば怒っていると言うよりも拗ねている様だ。
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