27: ◆x8ozAX/AOWSO[saga]
2020/02/05(水) 17:42:44.46 ID:zm72+V2G0
響子「元々一個はお兄ちゃんの為に買ってきたものですから……」
P「ご馳走さま、美味しかったよ」
だとすれば、尚更理由が分からなくなった。
勝手に食べられてしまって、けれどそれが原因だとは拗ねて言えなかったものだと思っていたのだが……
響子「だから……」
意を決した様に。
響子は、息を吸い込んだ。
響子「お兄ちゃんと一緒に食べたかったんですっ!!」
P「…………えっ?」
響子「お兄ちゃんと一緒に食べようと思って買って来たのに! お兄ちゃん一人で食べちゃうんだもん!!」
P「…………????」
響子「……あれ、本当に分かってなかったんですか? 自意識過剰っぽくて言い出せなかったとかじゃなくて……?」
P「…………??????」
響子「…………」
P「俺と一緒に食べたかったのに先に食べられて怒ってたのか……?」
響子「…………」
こくりと頷く響子。
うん、一旦話を纏めよう。
響子は俺と二人でゼリーを食べる為に2つ買ってきた。
けれど俺が先に一人で食べてしまった。
だから響子は怒っていた、と。
P「………すまん!! 完っっ全に俺が悪かった!!」
少し考えれば分かる事だったのかもしれない。
少なくとも、言われて即理解出来る程度の事だった。
響子「……言いもん……お兄ちゃん、前までいっつも一人でご飯食べてたからそういう気持ちが分からなくても仕方ないもん……」
P「配慮が足らなかった! 2つあるし1個くらい良いだろ程度にしか思考が回らなかったんだ!」
響子「二人で食べる、とは考えなかったんですもんねー……」
P「この通り! お詫びに今から食べよう! ちゃんと買ってきたから!!!!」
深々と頭を下げる。
これでダメだったら……
響子「……別に、何度も言ってるけどそんなに怒ってないんです……」
P「酔ってる人は酔ってないって言うんだ」
響子「……意地になっちゃったから」
P「……意地?」
響子「お兄ちゃんは私と一緒に食べたいって思ってくれなかったんだ、って……そう考えたら、なんだか悔しくって……」
寂しそうに、申し訳なさそうに。
響子は未だ、目を逸らしたままだった。
59Res/82.66 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20