8:名無しNIPPER[saga]
2020/01/26(日) 17:29:31.22 ID:eEyX7Fuh0
「それで、何と言う店でしたか」
「あ、それはですね」
楓さんはそこで言葉を切り、しずしずと俺達の後をついて来ていた肇と目を合わせる。
にこやかな笑みを浮かべながら軽く首を傾げると、答えるように肇が頷いた。
「あ……すみません。用事があったのをうっかりすっかり忘れていました」
「……用事ですか」
「なので、私はここでそそくさと失礼致しますね」
「ちなみにどんなご用事で?」
「では、後はお若い方同士で」
俺の問いをさっぱりと無視し、楓さんが肇の肩を抱く。
俺から数歩の距離を取ると、懐から取り出した何かの紙片を肇へと差し出していた。
「後は手筈通りに。頑張ってね、肇ちゃん」
「はいっ……ありがとう、ございます」
「困ったらこれを見てください。大切なのは勢いですよ」
「はいっ」
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