7:名無しNIPPER[saga]
2020/01/26(日) 17:09:22.23 ID:eEyX7Fuh0
お仕事で、今後必要になるかもしれませんので、
肇ちゃんのお洋服選びのお仕事を手伝って頂けるでしょうか。
お仕事で。わくわく。
短い文中にしつこいぐらい『お仕事』の盛り込まれたメッセージを受け取り、
俺ははぐらかす事を諦めた。
どんなに言い繕おうとも彼女のことだ。
何か別の理屈を捏ね回して肇の休日に付き合わせようとするのは間違い無い。
ならば大人しく首を縦に振り、ダメージの軽減に回った方が得策だろう。
ファッションセンスが今後必要になるかも、という点についても、まぁ一理無い訳でもない。
その意味で、高垣楓もまた捏ね上手だった。
「……良く似合ってる」
「あ……ありがとう、ございます……」
「む。乙女心が分かっていませんね。その後に付け足す可愛いの一言こそ――」
楓さんの陰へ隠れるようにして頷く肇を見ていると、
顔立ちなんかは全く似てもいないが、どこか姉妹のようにも見えた。
女の子の褒め方講座からいつの間にか女性の口説き方講座へ移っていた楓さんを止め、
兎にも角にも歩き出す。
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