6:名無しNIPPER[saga]
2020/01/26(日) 16:55:52.85 ID:eEyX7Fuh0
◇ ◇ ◆
休日の池袋は芋を洗うかのような有様だった。
眠気を誘う春の日差しを全身で浴びながら家族連れや恋人達が好き勝手な方へ歩いて行く。
幸いにして俺の周りは少しだけスペースが空くので、そんな光景を茫洋と眺め回すことができた。
俺が向こうの姿を認めるのと同時、どうやら向こうもこちらへ気付いたらしい。
背の高い方が俺に軽く手を振って、もう片方が丁寧に頭を下げた。
「お待たせしました。やっぱりその上背は目立ちますね」
「悪目立ちは好きません」
「おはよう……ございます」
「ああ。おはよう、肇。楓さんも」
二人とも帽子に眼鏡の完全装備だった。
肇はお気に入りらしいボーダーにスカートを、
楓さんは細身のパンツにジャケットをばしりと決めている。
「それで、どうでしょうか」
「……何がですか?」
「何って、肇ちゃんのファッションに決まってるじゃないですか」
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