藤原肇もデートはしたい
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12:名無しNIPPER[saga]
2020/01/26(日) 19:27:26.29 ID:eEyX7Fuh0

 「次の展示コーナーに行きましょうか」

 「ああ……しかし、混んでるな」

休日、晴天、池袋。
考えてみれば空くような要素など一切無い。
そう広くもない通路は家族連れでごった返し、さてどうしたものかと眺めていると、
肇は慌てたようにポケットから紙片を引っ張り出す。

 「……Pさん」

 「ん?」

 「混んで、いますね」

 「そうだな」

 「……はぐれないようにしないと、いけませんね」

 「ああ」

なかなか引く様子の無い人混みを見つめながら頷く。
しばらく落ち着くまで待った方が得策かもしれない。

そんな考えを巡らせていると、肇がそわそわと髪を弄り出し、
ちらちらとこちらの様子を伺い、終いには頬を徐々に膨らませていく。
一体どうしたと問い掛ける直前、勢い良く手を握られた。


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