10: ◆ty.IaxZULXr/[saga]
2020/01/24(金) 21:17:45.46 ID:W4W9+UtG0
7
深夜
学生寮・2号館・343号室
「奏さん、先にお休みしますね」
「今日くらい夜更かしでもいいじゃないかしら」かな子は女子高生にしては早寝早起き、学園の生徒と比べても。
「夜更かしはお肌の敵ですよ、奏さんも早く寝てくださいね。おやすみなさい」
「おやすみ」自分側の電灯を消すと、かな子は目を閉じてしまった。
しばらくすると小さな寝息が聞こえて来た。寝つきも早い。健やかさは食と眠りとはよく言ったものね。
「……私も寝ようかしら」夜遅くまで明かりをつけているのが忍びなくて、私の寝る時間も早くなる。実際のところ、図書館の本を読むかネットサーフィンぐらいしかすることがないから、それでも良いと思えて来た。画面の向こうの誰かとやり取りから解放されたのは、良かったのかもしれない。部屋の鍵をしめて、電灯のスイッチに手をかける。言う必要のない声をかける。
「おやすみなさい」部屋の電気を消すと、薄いカーテンからの月明りが感じられた。漆黒ではない優しい暗闇を移動して、自分のベッドに寝そべる。かな子の方を見ると、最初の姿勢のままだった。寝相も良くて羨ましい。私も目を閉じた。
今日は、深く眠れるような気がする。
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