男「僕の生徒は亜人だらけ」ミレイア「ろっ、六回目だからって嬉しくないんだからっ」
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138:亜人好き ◆HQmKQahCZs[saga]
2020/05/14(木) 21:12:05.51 ID:76NfIGS30
〜34週 月曜日〜

「ところで君の名前はなんていうの?」

船に揺られながら僕は今更名前を尋ねる。

「ひらg、やない。シライシ、シライシゆうねん」

「そっか。それじゃあよろしくね。シライシ君」

「へへんっ。大船に乗ったもんとおもってもらって構わんで」

大船? 今乗ってるのはあまり大きな船ではないけど。

「いつもこうやって案内人やってるの?」

「せやで。西の人がよう来るから話聞きとうてな。ウチめっちゃ興味あんねん。ほんでいつかお金貯めて西のほうに行くねん」

西の方といえば学園の話をすれば喜んでくれるのかな。

「なんでそんな興味あるの?」

「ウチの先祖がそっちの方で活躍してたらしゅうて。いつかウチもビッグになってやるんや。目指せ打倒レディライト!」

それは夢が大きいなぁ。しかし元気でいいことだ。

「実は僕も西の方から来たんだけど」

「んなもん見りゃわかるで。だから声かけたんやし」

「そっか。あの学園の教師…を一応やってて」

「ほんまかいな、そんな冴えん面して」

なんでみんな揃って僕を冴えないっていうのだろうか。いけてるつもりはないんだけど、口をそろえて言われるから気になる。

「ほんなら魔導とか詳しいんか?」

「僕の担当は遺伝子学だから、ある程度のことしかわかんないよ」

「ほーん。まぁならセンセとでも呼んだるわい」

疑いの視線が抜けてない。確かに幽霊が教師ってのは信じられないかもしれないけど。

っていうかこないだまで人間だったんだけどそれも信用してもらえないんだろうなぁ。

あまり不用意に怪しい発言をすべきでないから黙ってるけど。

「まー、どうでもええわ。ウチは寝るからあとは好きにしぃやセンセ。幽霊やし寝ぇへんのやろ?」

「そうだね。海でも眺めてることにするよ」

「ほなお休み。さぁて明日から大忙しやで」.

シライシ君を見送り甲板へと上がる。

すっかり夜も更け甲板に人は全然いない。

静かだ。海を進む船の音しかいない。

寂しいな。みんなに置いて行かれた気がする。

そういえばシライシくんと話すまで全然人と話していなかった。学園だとみんながいてくれるけど。

そっか。独りぼっちってこんな寂しかったんだ。忘れてたよ。

忘れたままでいれたらよかったのに。

寂しいなぁ。


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