96:松坂英治[saga]
2020/02/16(日) 17:49:41.25 ID:GuuOmPrB0
「グリーフシードだ!孵化しかかってる!」
病院の柱に突き刺さったグリーフシードをまどかが見つけ、それが魔女の卵“グリーフシード”だということを伝えるキュゥべえ。焦燥感のある声からグリーフシードかり魔女が孵化する直前であることがうかがえる。
「嘘!何でこんな所に......!!」
まどかの不安と焦燥感のある声が伝わる。
「まずいよ......早く逃げないと!!もうすぐ結界が出来上がる!!」
何かを考え込むように顔を俯かせるさやか。
「またあの迷路が......。まどか、マミさんの携帯聞いてる?」
「ううん」
「まずったなあ。まどか、先行ってマミさん呼んできて。あたしはこいつを見張ってる」
「そんな......!!」
「無茶だよ!!中の魔女が出てくるまでにはまだ時間があるけど、結界が閉じたら君は外に出られなくなる!マミの助けが間に合うかどうか......」
まどかとキュゥべえはさやかに無茶だと伝える。当たり前だ。もしも魔女が孵化したら、何の力も持たない女子中学生が凶暴な魔女に食い殺されるだけだから。しかしさやかは、
「あの迷路が出来上がったらこいつの居所も分からなくなっちゃうんでしょ?」
その時さやかの脳裏にとある少年がよぎる。
「放っておけないよ、こんな場所で......!!」
覚悟を決めたように、いや実際に命の覚悟もしているのだろう。彼女らしい真っ直ぐとした気持ちが乗せられた声がまどかとキュゥべえのもとへ届く。
「まどか、先に行ってくれ。さやかには僕がついている」
キュゥべえはまどかの肩からピョンっと飛び降りるとさやかの足下へと来た。
「マミならここまで来れば、テレパシーで僕の位置が分かる。ここでさやかと一緒にグリーフシードを見張っていれば最短距離で結界を抜けられるようマミを誘導出来るから!」
「ありがとう、キュゥべえ!!」
これで方針は決まった。
「わたし、すぐにマミさんを連れてくるから......!!」
まどかはカバンをその場に置き、マミを呼ぶ為に走りだしていった。そしてグリーフシードが眩い閃光を放ち、そして誰もいなくなった。
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