1:名無しNIPPER[sage]
2020/01/16(木) 18:17:42.73 ID:BL9zSwSq0
終章
体の感覚が失くなってくる。
あれ程全身を叩くような痛みと灼熱の業火に焼かれるような熱さが、今となってはほとんど感じなくなっている。
私は死ぬのだろう。
体にどれだけ力を入れてもピクリとも動かない。体温も下がって、恐らくもうすぐにでもただの肉塊へと変り果てるだろう。
無様だ。
今の姿は誰がどう見ても無様に映るだろう。
だがそれだけの事をしてきたのだ。仕方の無いことだ。
リリスは無事に育つだろうか。反抗期などきたら...いや、ミナ=メイザースに任せておけば大丈夫だろう。少なくともまともに子育てをしていなかった私よりはいい。
世界は、学園都市は、子供達は大丈夫だろうか。私が引っ掻き回した世界、これからも病みは必ず出てくる。それらに対抗しうるだけの力をそなえていればいいが...いや、他人の心配事など、私らしくないな。任せたのだから後は祈るよりも他はあるまい...
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2:名無しNIPPER[sage]
2020/01/16(木) 18:43:01.35 ID:BL9zSwSq0
沈みゆく意識の中、アレイスター=クロウリーはぼんやりと考えていた。
自分の娘の事、これからの未来の事を。問題はまだ山積みである。しかし心配する事はないだろう。
何故なら、大人達の支配は終わり、これからは子供達が時代を築くのだから。彼ら彼女らを阻む壁がどれだけ高かろうと、どれだけ闇の力が強かろうと、対抗し、打ち勝つだけの力ある。そうアレイスターは信じていた。
心配事といえばリリスに脅威が降りかかるかも知れないということだが、これもミナ=メイザースや子供達に任せて大丈夫だろう。
3:名無しNIPPER[sage]
2020/01/16(木) 20:38:04.05 ID:BL9zSwSq0
などと考えている内に意識が朦朧としてきた。
当然だ。アレイスターはただでさえオルソラやメイザースとの戦闘、コロンゾンの奇襲で重症を負っているのだ。これまで動けていた方が不自然なのだ。そして何よりもアレイスターの命を奪っていっているのは、コロンゾンの一撃による腹の風穴である。腹の穴からは今もおびただしい量の真っ赤な鮮血が溢れ出ていた。
これから死ぬ。
なのに胸の内は満足感でいっぱいだった。
これまで不幸続きだった、失敗だらけだった、敗北ばかりだった。けれど今は違う。コロンゾンの野望を食い止め、リリスを救う為に皆を信じ、共に戦った。結果として自分が死ぬ事になっても、それでも構わなかった。リリスを救えれば、それで。
4:名無しNIPPER[sage]
2020/01/16(木) 20:41:21.78 ID:BL9zSwSq0
5:名無しNIPPER[sage]
2020/01/16(木) 21:18:25.31 ID:LREaO/ql0
最近の禁書知らんとスレタイからとあるssだって全然分からないだろうなw
6:名無しNIPPER[sage]
2020/01/17(金) 18:13:28.78 ID:Mx1HyxAXO
つかムーンチャイルドとかレディ・エセルドレーダとかそっちのほうかと思って期待しちまったわ
禁書とか紛らわしいな
7:名無しNIPPER[sage]
2020/01/18(土) 00:24:38.55 ID:hFSJRyZSO
なんてこった変態親父が紛れ込んじまった。種付けオジさんより厄介者だぞ
8:時に愛は2人を試してる[sage]
2020/01/19(日) 10:04:57.90 ID:D6AzE3TD0
「う...ん...?」
まだ薄暗い早朝のとある街の路地裏にてアレイスター=クロウリー(見た目は♀、中身は♂ことド変態クソ親父)は目を覚ました。
「ここは...?」
幼くも美しく危険な香りを放つ少女(?)はぼんやりとする頭を抑えながら辺りを見渡す。辺りはまだ薄暗いが、ぼんやりと見渡せる程度の明るさはある。路地裏といっても学園都市のようなゴミが散乱し、薄汚い印象はなく、逆に小奇麗な感じだった。
続いてアレイスターは自分の体をペタペタと触り始めた。身体の方は相も変わらずベイバロンをイメージソースとした女の身体である。格好は以前と同じ薄い青をベースとしたダブルブレザー系統の制服の上に真っ黒なマント、魔女のような帽子を被っていた。近くには女体化した時から使っている箒が転がっていた。
9:Because I love you[sage]
2020/01/19(日) 10:50:50.28 ID:D6AzE3TD0
「位相が...違う?」
そう、自分達のいた位相とここの、この世界の位相は全くの別物であるとアレイスターは気付いた。幾重にも折り重なりあっている位相の何処かに迷い込んだか?とアレイスターは考える。別の位相に迷い込んだ可能性の他に多重宇宙、平行世界etc...考えられる候補はあれど確信には至れず、とりあえず保留となった。
アレイスターは意識を切り替え、
「さて、またいつもの『失敗』か。ここは何処か、何故私が生きているのか、それらは今は置いとこう。当座の目標はまず情報収集だな」
(それにこの世界は妙な違和感を感じる)
10:キワどい視線を振り切って WOW[sage]
2020/01/19(日) 11:18:06.55 ID:D6AzE3TD0
アレイスターは国のつや二つ、買える程の金があったのだが、そもそもそれは学園都市統括理事長として座していた頃の金で権限を全て一方通行に譲ったし、ここがどういった所か、大体位相自体違う訳だからアレイスターの金があるかどうかも怪しい。
ポケットマネー、すなわち懐にあるカードもあまり期待できそうにない。
その為、アレイスターはほぼ無一文に近い状態であるからして、ネット喫茶は厳しい状況である。
ネットが使えないかも知れないという状況にアレイスターは頭を抱えて、
「...仕方ない。地道に調べていくしかないか」
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